肉体労働歌
露時雨
雨に怯えて
空が泣く
「空が泣いている」
「悲しいの」
「いや、恐いんだ」
「自らが失われていくのが、恐いんだ」
逃げるように酒を呑む。
そして、言い訳をしなくてもすむように全てを忘れてしまうのだ。
失うことが辛いなら、全てを忘れてしまえばいい。
生きるということは、弱さとの付き合い方が肝心だ。
泣いて世界に還るあの雲も、もしかしたらその存在の耐えられない軽さと共に在るのかもしれない。
今日も板橋の鉄工所にて溶接と切削・研磨作業の仕事を終えて、ぽつりぽつりとバスの窓にあたる雨粒を見て池袋までの30分ほどを詩情にまかせた。
雨は嫌いだ。でも、嫌いというには放っておけない、自身の一部がその湿度の中に巣くっている。
素敵な5月が終わり、夏がむらむらと待ち遠しい梅雨である。
巷には、そんな梅雨を吹き飛ばすべく惜しげもなく華を散らすように露出の高い女性が溢れかえる。いや、燃え上がる。
そんな夏の熱気に狂う日本は、今年は如何なる狂態を曝すのか。
そして私は、そんな狂態にいつまで付き合えるのだろう。
愛を捨ててしまった私には、今ではまるで死は親戚ほどの距離である。
隣人から親戚へ。兄弟から双子へ。最後は完全な同一化。
やりたいことが多すぎる。まだ、死ぬにはあまりに早い。
アフリカに
恐れをなして
死を思ふ
自嘲である。
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