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2014年5月1日木曜日

橋本 仁 × Overland コラボレーション展覧会 コンセプト

あしとりんご ー 在るべき未来への原点回帰 ー

我々が存在している現在とは"歴史的現在年としての今"と言い表すことができます。
それは常にある膨大な量の過去という時間のうえに今が在るということで、現在の我々はそういったことを株価の推移や移動の速度に惑わされて忘れてしまっているのではないでしょうか。
まるで自分達が進化した末の産物であると思っているかのように、ピタゴラスやソクラテスより物事を解っているのだと。

個人の時間軸においても、生きた分だけ過去があります。
そんなことに価値はないのですが、確証たる感謝というものは必ずあります。
そんな身近な尊い感謝すら、我々は忘れてしまっているように私には思われます。
他者への感謝、自然への感謝、地球への、宇宙への感謝。
たった一つの砂粒が世界に存在するためには、一つの宇宙が必要なのです。

600万年前、我々の祖先はニ本足で立ち上がり種の未来を激変させました。
狩りをし農作物を育て豊富なタンパク質を脳へと調達し、脳は常に合理性を求め負荷を削減し利益を増やしてきました。
結果、脳は脳へのより効率性の高い栄養補給を実現した一方で身体が果すべき仕事を奪いました。
哀しいかな、人類の叡知がもたらしたのは運動量の減少に伴う様々な生活習慣病と、一生を言い訳がましい自らの保身に始終するだけの"人生"という空語でした。

我々が二足歩行の変化を経て"智"を獲得したことにより堕ちたというのならば、我々をその奈落から救い上げるのもまた"智"ではないでしょうか。
我々は人類生誕600万年から遡り、身体性とは、本当の"智"とは何であるかを思い出さなければならないのだと私は考えます。

かつてその時代の社会と戦い抜いたプロテスタントの修道士マルティン・ルターが言いました。


「たとえ明日、世界が滅びようとも私は今日りんごの木を植える」


私は足跡に身体性と過去を見立て、そして植えるように智の林檎を描きます。

在るべき未来への夢をみながら。


橋本 仁

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